いろいろあります建立実話(毎月更新)
建立実話
№16 段ボールのお墓と地震対策
倉敷市中庄にお住いの和田様は、当社が5月に開催いたしました展示会に、奥様と娘さん
ご夫婦でお越しになり、石種を愛媛県の大島石に決められました。
その後来店の際には、娘さんが当社のホームページをご覧になった感想なども聞かせて
下さり、嬉しく思いました。
ところで、娘さんのお婿さんであるご主人は、石塔の形に強い“こだわり”を持たれていて
「ベースは昔からの和墓で、全体的にアール(丸み)を付けて欲しい」と言われました。
その上で、他家の石塔の写真を持参され「これ(写真)に近い形で、アールを少し小さくして
欲しい」とのご注文でした。
そして、当社作成の図面で検討に入りましたが、ご主人のお仕事の経験に裏打ちされた
微に入り細に入るご質問・ご要望に、担当者も周りもピリピリ致しました。
数度の打ち合わせの末、実物大の墓をご主人が段ボールで作り墓地に据えられてやっと
イメージ出来られたようです。
このご主人の熱心さに、当社スタッフも脱帽でした。

一方、娘さんは亡くなられたお父様に心を寄せて、お父様の詠まれた俳句を碑として残したい
と、気に入った碑の形の写真をとり、その型紙も用意されていました。大きさを決め図面を作成し
次の段階の彫りでは、お父様直筆の俳句3句と蓮の花の彫刻、それに添えて奥様直筆の
「会いに来てくれて、ありがとう」の言葉も彫らせていただきました。
またお墓の形もさることながら、ご主人は、耐震施工を望まれていて、震度7まで耐えられる
『泰震』で施工させて頂くことにし、日程をご主人のお休みに合わせ、立ち合われました。
その際、ご主人は全ての石の寸法を計測され、傾きについても厳しく確認されました。

完成時には、ご家族皆さんが「この墓地の中で一番良いのが出来ました。
いろいろ言わせて貰いましたが、本当に良いのが出来ました。ありがとう
ございました。」と喜んで下さり、施工班も担当も一緒にお墓の前で写真を
撮らせていただきました。
担当 前迫